第18章 まさか女の子の手に触れたのか?

病院は人であふれていた。橘結衣は受付の列に並び、ワクチンを打ってもらって病院を出る頃には、もう昼になっていた。

外へ出ると、道沿いの店先で大きくて艶のいい苺を売っているのが目に入る。結衣はつい、ひと袋買った。

苺の袋を提げたまま病院へ戻り、エレベーターで上がって廊下を抜け、宮本茜の病室の前まで来る。

茜は苺が大好きだ。お見舞いの名目で渡すにはちょうどいい。

病室のドアはきちんと閉まっておらず、細い隙間が空いていた。

結衣はその隙間からそっと覗く。茜はベッドの上、枕元に膝を抱えて小さく丸まり、窓の外をぼんやり眺めていた。

結衣は室内をきょろきょろ見回し、茜がひとりなのを確認すると、...

ログインして続きを読む